イメージコンサルタントは、クライアントとのコンサルテーションを通じて、その人の嗜好や目的をしっかりと理解し、クライアントが「表示的消費」と「隠蔽的消費」のどちらを優先するのか、その優先順序やバランスを考慮しながらスタイルについて提案しなければなりません。
「表示的消費」と「隠蔽的消費」という言葉を聞き慣れない方もいるかと思いますので、簡単にご説明しましょう。
まず「表示的消費」とは、外見や服装を通じて自己の社会的なステータスや成功をアピールしようとする傾向を指します。「表示的消費」の傾向が強いクライアントが、特定の社交イベントやビジネスの場に出席する際には、ブランドやデザインの選択においても、成功や高いステータスを象徴する要素を重視する傾向があります。ですからイメージコンサルタントは「表示的消費要素」をしっかりと考慮したうえで、適切なファッションスタイルやブランドでスタイリングすることが求められます。
一方で「隠蔽的消費」は、実用性や機能性を重視し、自己の利益や快適さを最優先に考える傾向を指します。クライアントが「隠蔽的消費」の傾向が強い場合、他人の評価や流行に左右されることなく、自分のライフスタイルや活動に適した服を選びます。機能的で実用的なデザインや素材が重要であり、ファッションのトレンドよりもシンプルで汎用的であること、耐久性や着心地を優先します。イメージコンサルタントは、実用的な服装やアイテムを提案する際に、この要素を考慮する必要があります。
クライアントのニーズやゴールに基づいて、適切なファッションスタイルを提案するのはイメージコンサルティングの基本ですが、その際は、表示的消費と隠蔽的消費のバランスを考慮しながらアドバイスするということをぜひ心にとどめておいていただきたいと思います。
自己の価値観や目的を反映したファッションスタイルを確立し、それを身にまとうことではじめて、クライアントは自信を持って自分を表現することができるのです。