日本において若者たちの支持を呼びかけるためには、斬新な選挙ポスターが必要か?

皆さま、こんにちは。IRC JAPANの安積です。

第50回衆院選(27日投開票)が公示され、立候補者の届け出が15日から各地で始まりました。

今回の選挙でも、少子高齢化の中で政治の未来を担う若者の支持を得ることが重要な課題です。しかし、政治への関心が薄れつつある若者たちに対して、何十年も変わらない従来のポスターがどれほど効果を発揮するかは疑問です。

そこで、アメリカで新しい政治の象徴となったアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)のビジュアル戦略を参考に、日本の選挙におけるポスターの可能性を考えてみたいと思います。

The Women Running for President Are Breaking the Rules of Branding

AOCは、2018年にニューヨークの14区で現職で10期目の議員を破り、28歳という若さでアメリカ議会史上最年少の女性議員に選ばれました。民主社会主義を掲げ、ロビイストからの献金を一切受けないという強い姿勢で、草の根運動による支持を集めた彼女の選挙戦は、従来の政治から大きく逸脱したものでした。その中で、斬新なポスターのデザインが彼女のメッセージを視覚的に支え、とくに若者層と変化を望む人々を引き付ける大きな要因となりました。

AOCのポスターは、若者や変化を求める層に「新しい時代の到来」を訴えるものでした。背景には伝統的な赤や青ではなく、紫と黄色が使われ、多様な価値観を象徴しています。また、顔を右斜め上に向けたアングルが採用されており、これは未来や希望を彷彿とさせる視覚的効果を持っています。

彼女の前を見据える視線と斜めの構図は躍動感を生み出し、「自分たちが変化を起こせる」というメッセージを伝えました。さらに、吹き出しを模したフレームが「声を上げる」重要性を強調し、政治に関心の薄い層にも行動を促しました。

Alexandria Ocasio-Cortez - Tandem NYC

日本においても、若者層への訴求を考えるなら、斬新なデザインが大きな効果をもたらす可能性があります。従来の無難なポスターから一歩踏み出し、AOCのように色彩やデザインを工夫し、「未来志向」のイメージを押し出すことで、変化を望む若者たちの心を動かせるかもしれません。


選挙戦においては、単に従来の型を守るだけでは、若年層の共感を得るのは難しくなりつつあります。ポスターが伝えるのは、候補者の顔や名前以上に、その背後にあるビジョンや価値観です。AOCのように、ビジュアルを通じて「この変化にあなたも参加できる」と訴えるメッセージが重要となるでしょう。今後の日本の選挙でも、こうした工夫が新しい世代の政治参加を促し、選挙戦の流れを変えるきっかけとなるかもしれません。