Business of FashionとMcKinseyが発表したState of Fashion 2023レポートによれば、Z世代(1997年から2012年生まれの世代)の約半数が、自分の性自認に合わない衣服を購入していることが明らかになりました。
世界各国から生徒等が集まるニューヨークのファッション工科大学(FIT)で講義をする際も、Z世代の生徒たちは伝統的なジェンダーの枠組みにとらわれず、性別に関連しないファッションアイテムを選択することで、自分自身をより自由に表現する傾向があります。
Z世代の購買力が増大するにつれ、Z世代の購買行動は、ファッション業界に対しても影響を与えています。多くのブランドが、よりジェンダーに中立的でインクルーシブなアイテムを提供する必要性を認識して、これに対応するための新しいコレクションをはじめています。そのような時代に「女性の⚪︎⚪︎タイプのファッションは⚪︎⚪︎」「男性の⚪︎⚪︎タイプのファッションは⚪︎⚪︎」といった、伝統的なジェンダーの枠組みにとらわれたファッションアドバイスは、時代遅れであることを実感しはじめています。
日本のイメージコンサルティング業界も、今後は多様性と自己表現の重要性を重視して、よりインクルーシブなアドバイスをすることが重要となっていくことでしょう。過去の固定されたスタイル観念にこだわり、ある特定のファッションやスタイルをすべてのクライアントに適用するイメージコンサルタントは、時代遅れとみなされてしまうかもしれません。これからのイメージコンサルタントは、クライアントの個性やライフスタイルに合わせた多様なアプローチを提供する必要があります。
ジェンダーに関する意識の変化とファッション市場の進化を新たなビジネスチャンスと捉えて、時代にあった新しいイメージコンサルティングを取りのか。それとも決まったパターンに当てはめる従来型のコンサルティング法を維持するかで、今後のイメージコンサルティング業界の未来は大きく変わるはずです。