服装によるパワーの表現〜女性らしさと男性らしさの間で〜


みなさん、こんにちは。IRC JAPAN代表の安積です。

わたしたちが身にまとう服装は「社会的ステータス」や「プロフェッショナリズム」を象徴する要素であり、「パワー(影響力や権威)」という概念と密接な繋がりがあります。

1980年代に広まった「パワー・ドレッシング(Power Dressing)」とは、特に職場において、威厳と影響力を持たせるための服装スタイルを指しました。このスタイルは、当時のビジネス環境で女性が男性と対等に渡り合うための手段としても発展しました。

しかし女性がリーダーシップを発揮する現代社会においては、ショルダーパッド入りのジャケットを羽織ったり、全身ダークカラーのコーディネートをして、昔の男性の軍服のような堅牢なイメージを作りあげる必要はありません。

もしイメージコンサルティングに来られるお客様が、女性らしさを強調しつつも、権威あるリーダーとしてのイメージを築きたいという場合、イメージコンサルタントはどのように着こなしをアドバイスすれば良いのでしょうか。

心理学の研究によると、その人の身体に美しくフィットした適切な服装をすれば、信頼感を高め、相手にポジティブな影響を与えられることがわかっています。

たとえばワンピースやスカートスーツのような女性らしい服装でも、品質が良く、身体に適切にフィットしたスタイルを選べば、プロフェッショナルで権威ある印象を与えることができます。無駄な装飾がなく、正しくフィットする服は、洗練さと自信を象徴します。身体にほどよくフィットしたテーラードジャケットに、柔らかい素材のトップスを組み合わせることで、プロフェッショナルでありながらも近づきやすい印象を同時に与えることができます。

色使いにおいては、強い色や暗い色を基調にすることで権威を象徴しつつ、柔らかなパステルカラーや明るい色を取り入れることで、親しみやすいイメージを演出できます。またたレースやリボン等の過剰な装飾を避けることで、洗練された印象を維持することができます。

アクセサリーに関しては、大胆なものを選ぶことでステートメントを作り出すことができますが、全体的にはアクセサリー数を控えめにすることが重要です。

また、ヨーロッパの女性首相らのように特定のスタイルをトレードマークとすることで、容易に認識できるシグネイチャースタイルを作り出すことも効果的でしょう。シグネイチャースタイルを作ることで、どこに居ても一目で認識され、人々の記憶に残りやすいリーダー像を演出することができるようになります。

このように現代は、女性が力強い男性的な服装の要素を取り入れなくても、自分のスタイルに忠実でありながら、尊敬と権威を集めるための「パワードレス」を選ぶことは可能です。

服装は自己表現の一形態であり、自信とプロフェッショナリズムを体現する手段。

服装がその人の個性や職業的役割と調和し、自信を持って着こなすことこそが何よりも大切ですね。