国際的に活躍するイメージコンサルタントになるためには

日本国外のお客様に対してイメージコンサルタントとして活動する際、適切なセンシティビティをもってクライアントの文化的・宗教的多様性を尊重したアドバイスをすることが求められます。

クライアントの文化的背景や宗教的信念を尊重せず、一般的な美的感覚を押しつけたり、宗教的な信念に関連した服装やメイクスタイルに対して、安易に変更を促すようなセンシティビティを欠いたアドバイスをすると、あとあと大きな問題が生じてしまう可能性があるからです。

たとえば先日も、全身を覆う女性の伝統衣装「アバヤ(Abaya)」の公立学校での着用をフランス政府が禁止したことで、イスラム系フランス人から反発が起きているというニュースが報道されていました。フランスにおけるイスラムの生徒の装いに関する厳格なガイドラインには、宗教的自由、個人の権利、社会的対立などに関連する複雑な問題が絡んでおり、多くの議論と対立を引き起こしています。

一般的な美的感覚を押しつけたり、ある文化のファッションやメイクを単純化して伝えることも、誤ったイメージや偏見を広めることにつながります。たとえば日本にはまだ根強く美白信仰が残っていますが、過剰な美白信仰は、肌の色が濃い人々や、多様な肌色を持つ人々への差別や偏見につながることがあるので注意が必要です。

カルチャルセンシティビティを軽視したアドバイスは、文化に対する敬意が欠落しているように捉えられてしまいます。社会的、文化的、また場合によっては法的な問題を引き起こす可能性がありますから、さまざまな人種、宗教的背景をもつ人々を対象にコンサルティングを行うイメージコンサルタントは、宗教的シンボルとなるアイテム(ヒジャブやクロスネックレス、ターバンやキッパー等)についての理解なども深めることなどが重要です。

異なる文化的・宗教的背景を持つクライアントへ慎重にアプローチするために、私たち日々、国外のメディアが発信するニュース等も積極的にも敏感に向き合っていく必要があるでしょう。